PVP経皮的椎体形成術 2559椎体(2015年12月末)

骨粗しょう症 脊椎の圧迫骨折治療

 人間の体内では絶えず古い骨は壊され(骨吸収)、新しい骨が作られています(骨形成)。これが骨の新陳代謝です。年齢とともに骨の新陳代謝のバランスが崩れ、骨吸収がどんどん進んで骨形成が追いつかなくなると骨がスカスカにもろくなります。骨量の低下がひどい状態が骨粗しょう症で、背骨の圧迫骨折を引き起こす主な原因の一つです。背骨は、首から腰まで、24個の椎体と椎間板がつながったものです。骨粗しょう症で骨がもろくなると、ふとしたはずみに体の重みで椎体がぺしゃんこに潰れることがあります。これが『圧迫骨折』で背骨がまがり、4割が痛みを伴います

 従来の治療は、数週間安静にし、鎮痛剤や骨粗しょう症の進行を抑える薬を服用したり患部を固定するコルセットを着用したりといった方法ですが、慢性の痛みが残り、炊事洗濯といった立ち仕事ができなくなったり、寝返りを打てなくなったりと運動機能が低下、寝たきりやうつ状態になってしまうことがありました。

 『経皮的椎体形成術』(PVP)は、骨折した椎体の中に特殊なバリウムを混ぜた骨セメントを注入し、圧迫骨折による痛みを緩和する治療方法です。1980年代にフランスで始まり、1990年代後半にアメリカでも広がりました。

当院でのPVPの流れ

1.お昼に来院                                     2.内容説明                                      3.治療                                        4.2時間ほど安静にする                                5.帰宅

 手技(上記3)そのものは、1椎体あたり約10分~30分程度です。当院ではPVPを2001年11月よりはじめ、2015年11月末までに2016症例、2547椎体の治療を行っております。                                           

 2002年のアンケート調査では96.3%の患者様で痛みの改善が認められました。また、当時81.7%の方は治療を行った次の日から歩行が可能となっています。              

 2006年12月より適応の範囲をさらに正確にし、日帰りの治療として行っています。   (費用については現在は自費診療になっております。詳しくはお問い合わせください。)

 

 PVPは、圧迫骨折の急性痛に対して即時性の除痛効果と骨折椎体の安定化による運動性の早期回復効果に優れています。                                  

 結果的には早期離床が可能になります。また骨折後に生じる椎体の変形による神経圧迫症状の予防などにも有効と考えられます。

 PVPは骨の痛みには有効ですが、神経や筋肉の痛みには効果はありません。また、骨や腫瘍が脊髄を圧迫している場合、骨の破壊が高度である場合などでは治療が困難なことがあります。