こんな目の症状、ありませんか?

1.かずむ、ぼやける

 人の顔や物がはっきり見えず”かすみ”がかったように見えるといった訴えや、片目ずつでお月さまの光を見たとき、二十にも三十にも見えるといった訴えは非常に多く聞かれます。これらの症状の代表疾患が白内障です。
 誰もが一度は耳にしたことがあるこの病気は、ほとんどの年配の方に生じ、進行すると視力低下が進んだり、ひどい場合失明する場合があります。
 基本的な治療法は手術で、比較的短時間で痛みもほとんど無く、他に病気が無ければよく見えるようになるので、年間多くの方が手術を受けられます。

 小さい文字を見るときや、遠くを見ていて急に近くを見ると、かすんでピントが合わない、といった訴えは老眼です。
いつも合わないようになれば、老眼鏡をかけていただくことになります。また、最近ではコンピュータ作業を長時間することで、眼精疲労=疲れ目に陥り、ピント合わせが下手になる方も増えておられます。疲れないように休みながら作業されることをお勧めします。目薬を点眼していただくことで多少改善することもあります。

2.虫が飛ぶ、チカチカ見える

 実際には虫はいないのに、目の前に黒い影がフラーっと見える。特に青空や白い壁を見ると出てくる。あるいはチカチカするといった訴えをする患者さまが日常外来に多くいらっしゃいます。
 原因は、加齢に伴い生理的なものであることが多いのですが、中には眼底出血や網膜はく離の前兆の可能性もあります。
 眼底出血は何らかの理由で網膜の血管から出血することで、原因をしっかり調べたうえ、治療が必要です。また、網膜は非常に大切な臓器でこれがはく離すると、つまりはがれてしまうと(網膜はく離)、その部分は全く見えなくなってしまいます。
しかし、早期発見すればレーザー光凝固術を施行することで、手術を受けずに済むこともありますので、必ず早めに眼科受診をしてください。

3.ゆがむ

 本来、まっすぐであるはずのものがゆがんで見えない見ているものの中心が見えない。左目と右目とで物の大きさがひどく違って見える。
 これは網膜の中でも黄斑(おうはん)というところの病気が考えられます。黄斑とは網膜の中の一部で、そこは神経の感度が高く、最も重要な場所です。
 代表疾患は加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)、黄斑円孔(おうはんえんこう)、網膜上膜(もうまくじょうまく)、黄斑浮腫(おうはんふしゅ)などです。

 眼科受診をして頂き、特殊な目薬を入れて瞳孔(=ひとみ)を広げて行う精密眼底検査をする必要がありますし、場所によっては造影剤を使用し、さらに検査をしなければならないこともあります。
 治療法や予後は病気によってさまざまですが、これらの病気の中には進歩した医療技術によって治療可能になった疾患が含まれます。その治療法とは、レーザー光凝固術や硝子体切除術という手術で、特に硝子体切除術は近年安全に施行されるようになり、予後も良好で当院でも多くの患者様が手術を受けられています。

4.暗幕がおりてきたように見えなくなる

 突然、暗幕がおりてきた。見ているものの一部が見えない。
 これは網膜はく離や、網膜動脈閉塞症(もうまくどうみゃくへいそくしょう)の代表的な訴えで、早期の発見・治療をしなければ、重度の視力低下につながる大きな病気です。
 網膜はく離が発症すれば、適した時期に適した治療が必要となります。網膜動脈閉塞症は、網膜の中を走る血管のうち動脈が詰まってしまうことで生じる”目の脳梗塞”のようなもので、早期発見にて点滴加療などを受けることで改善が得られることがあります。もちろん血圧が高い人、血中コレステロールが高めであったり、”どろどろの血”になっている人や、不整脈の人がこの病気にかかりやすく、そちらの治療も並行して進める必要があります。
 

5.まぶたが下がってきた

 まぶたが下がることを、眼瞼下垂(がんけんかすい)といい、その原因はさまざまです。老人性眼瞼下垂といって、歳のせいでも起こりますし、ハードコンタクトレンズを長年使用している場合もしばしば起こります。その他ホルモンなどの異常や脳の病気でも起こります。原因をしっかり調べて治療法を決めていく必要があります。原因によっては手術を受けなくてよくなる方もおられます。

6.両目で見ると二重に見える

 片目で見ると一つのものが、両目で見ると二つに見えるという症状は、複視(ふくし)といいます。人間には二つの目玉があり、それぞれが上手に協力して動いて物体を見ます。その協調運動ができなくなると、たちまち二重に見えるようになるのです。その原因はさまざまで個人差もありますが、眼球を動かす指令を出している脳に大きな問題がないか調べる必要があります。

その他

 目が痛い、かゆい、涙が出る、目やにが出る、チクチクする、ゴロゴロするなど、目の症状は多種多様です。また、一方では、初期には自覚症状のない緑内障や糖尿病網膜症もとても怖い病気です。

終わりに

 以外にも、目の病気は全身の病気と深く関わることがあり、命に関わる体の病気が目の症状から発見されることも珍しくありません。取るに足りない症状でも、決して「歳だから…。」とあきらめず、そして症状が無くても40歳を過ぎたなら定期検診がてら、眼科に相談に来てください。病状や治療方針について、分かりやすくご説明できるように、スタッフ一同協力しておりますので、お気軽に眼科外来をお訪ねください。